ヒューマンエラーの種類とその原因

製造現場での不良の原因

製造メーカーに勤務していた時代、協力会社(すべて中小企業)が製造する部品の品質は決して悪くなく、通常は受け入れ検査なしで使用していても問題はありませんでした。ところが多くの会社が不良品を年に数回程度納入しました。

協力会社にとっても不良品を納入してしまうと、不良品の選別、代替品の製作、不良対策や再発防止の実施、対策報告書の作成など多くの労力をかけなければなりません。これはその企業の収益にも影響します。この時々発生する不良の大半がヒューマンエラーによるものでした。

ヒューマンエラーとは、人や機械などを含めたシステムにおいて、人間が行うべき作業を適切に行わないことです。

その結果、事故や不良品が発生します。

ヒューマンエラーは多くの場合、「意図しないうっかりミス」です。その多くはシステムと人間(特に人間の認知・行動特性)とのミスマッチが原因で起きます。

不良に追われて
図1 不良に追われて
 

今までのヒューマンエラー対策

ヒューマンエラー対策については、多くの書籍やセミナーでは、

  1. 手順書や規定類による仕組みの構築
  2. 物理的に不良輪発生させないポカよけの構築
  3. 再発防止などの事後の対策

この3つが主に説明されています。

しかし多品種少量生産が多い中小企業では、製品ごとにポカよけをつくるのは容易ではありません。その結果、ミスの防止は作業者の注意力に依存する場合が少なくありません。しかし作業者の注意力には限界があり、その結果不良品の流出が起きます。

たとえ発生した不良を対策しても、違う製品において違う原因で発生し、「もぐらたたき」になってしまいます。

不良対策はもぐらたたき
図2 不良対策はもぐらたたき
 

このように定形化できず、ポカよけも組み込めない不良(ヒューマンエラー)を防止する方法はないのでしょうか。

人間の認知特性からヒューマンエラーの起きにくいやり方

そのヒントが鉄道・航空機などミスの許されない業界にあります。

これらの業界は過去に大きな事故が発生したため、ヒューマンエラー対策のノウハウが蓄積しています。

そこで本サイトでは、
【ヒューマンエラーの分類とその詳細】で、認知・判断・行動の視点からヒューマンエラーを6つに分類し、それぞれの原因と対策について述べました。

【なぜ、ミスが起きるのか?人間の特性について】では、ヒューマンエラーの理解を深めるために、ヒューマンエラーを誘発する人間の認知特性について述べました。

【ヒューマンエラー対策】では、ヒューマンエラーを防ぐための考え方や取り組みを、方法ごとにまとめて述べました。

【参考資料】では、本サイトで用いた参考書籍や、「ヒューマンエラー発見のためのチェックリスト」などを活用できる資料を紹介しています。

 


認知ミス
無知・無理解
無知による認知ミスが原因で生じるヒューマンエラー
誤認識
誤認識による認知ミスが原因で生じるヒューマンエラー
 
判断ミス
判断ミス
判断ミスが原因で生じるヒューマンエラー
 
行動ミス
スリップ
スリップによる誤った行動が原因で生じるヒューマンエラー
故意
故意に誤った行動を行ったため生じるヒューマンエラー
できない
できないことをできると判断して生じるヒューマンエラー
 
 
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